中耳炎の症状

〜お子さまの「中耳炎のサイン」を見逃さないために〜

中耳炎とは、鼓膜の内側にある「中耳」と呼ばれる空間に炎症が生じる病気です。乳幼児期に非常に多くみられ、3歳頃までに半数以上のお子さまが一度は経験するとされる、決して珍しくない疾患です。

急性中耳炎でみられる主な症状

急性中耳炎は、かぜをきっかけに比較的急に症状が現れます。

  • 強い耳の痛み
    中耳に膿がたまって鼓膜が内側から押されることで、激しい痛みがもっとも生じます。
  • 発熱
    38℃を超える発熱を伴うことも多く、特に小さなお子さまほど高熱になりやすい傾向があります。
  • 耳だれ(耳漏)
    鼓膜が自然に破れて膿が外に出ることがあります。膿が排出されると、痛みが一時的に軽くなることもあります。
  • 聞こえにくさ
    中耳に膿や液体がたまることで、一時的に音が伝わりにくくなります。

【言葉で症状を伝えられない乳幼児のサイン】

小さなお子さまは「耳が痛い」と訴えられないため、行動や様子から気づくことが大切です。

  • 頻繁に耳を触る、触られるのを嫌がる
  • 急に激しく泣く、不機嫌な状態が続く
  • ミルクや食事の量が減る
  • 夜中に突然泣き出す

このような変化が見られる場合は、中耳炎の可能性を考えましょう。

痛みがない?「滲出性中耳炎」

注意が必要なのが、痛みや発熱がほとんどないまま、中耳に液体がたまるタイプの中耳炎です。
気づかれにくいものの、放置すると聞こえに影響することがあるため、保護者の方が変化に気づいてあげることが重要です。

  • テレビの音量を大きくしたがる
  • 呼びかけへの反応が鈍い
  • 耳が詰まったような違和感を訴える

中耳炎の原因

〜なぜ子どもは中耳炎になりやすいの?〜

中耳炎の多くは、かぜなどのウイルス感染をきっかけに発症します。

子どもの耳の構造について

鼻の奥と中耳は「耳管(じかん)」という管でつながっています。
大人の耳管は長く斜めに伸びていますが、子どもの耳管は 短く、太く、水平に近い形 をしています。そのため、鼻や喉に増えたウイルスや細菌が中耳へ入り込みやすく、中耳炎を起こしやすいのです。

【中耳炎のリスクを高める要因】

  • 受動喫煙
    タバコの煙は耳管に炎症を起こし、中耳炎の発症リスクを高めることが分かっています。
  • 授乳姿勢
    寝かせたままの哺乳は、ミルクが耳管に流れ込みやすくなります。

小児科での中耳炎治療

中耳炎と聞くと「耳鼻科に行くべき?」と迷われる方も多いかもしれません。
中耳炎は耳の病気ですが、発熱やかぜ症状を伴うことが多く、 小児科での診療にも多くのメリット があります。

  • 全身の状態を含めた診察
    耳だけでなく、熱・咳・鼻水・食欲なども総合的に確認します。
  • 年齢や発達段階に応じた判断
    症状を言葉で伝えられないお子さまでも、様子を見ながら適切に評価します。
  • 薬の使用を必要最小限に
    抗生物質が本当に必要かを見極め、体への負担を考えた治療を行います。
  • 繰り返す場合の継続フォロー
    経過を見守りつつ、必要に応じて耳鼻咽喉科と連携します。

【子どもの中耳炎の治療の流れ】

1. 痛みを和らげる治療

まずは痛みやつらさを軽減することが大切です。鎮痛解熱剤を使用し、軽症の場合はこれだけで改善することもあります。

2. 経過観察

中耳炎の多くは自然に良くなるため、軽い場合は数日様子を見る「待機的治療」を選ぶことがあります。

3. 抗生物質の使用

症状が強い場合や改善が乏しい場合には抗生物質を使用します。処方された場合は、症状が良くなっても最後まで服用することが重要です。

4. お鼻のケア

鼻水の管理は中耳炎の改善に欠かせません。こまめな吸引で鼻を清潔に保ちましょう。
※慢性化や重症化が疑われる場合、鼓膜切開などが必要と判断した場合は、速やかに耳鼻咽喉科専門医へご紹介します。

中耳炎のよくある質問

Q. 夜中に急に耳を痛がったらどうすればいいですか?

A. まずは手元にある解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を飲ませてあげてください。痛みは30分ほどで落ち着くことが多いです。

Q. お風呂やプールは入っても大丈夫ですか?

A. お風呂は、高熱や激しい痛みがある間は避けましょう。熱が下がり、痛みが落ち着いていれば入浴可能です。
プールは、1週間ほど控えるのが望ましいです。プールの水が直接耳に入るからではなく、消毒用の塩素が鼻や喉の粘膜を刺激し、中耳炎を長引かせる可能性があるからです。

Q. 中耳炎は他の人にうつりますか?

A. 中耳炎そのものはうつりません。ただし、原因となる風邪のウイルスや細菌は接触によってうつるため、手洗いなどの感染対策を徹底しましょう。

Q. 飛行機に乗っても大丈夫ですか?

A. 気圧の変化で悪化する恐れがあるため、あまりおすすめしません。どうしても乗る場合は、離着陸時にアメを舐めたり飲み物を飲んだりして、耳抜き(耳管を開く動作)を促しましょう。

Q. 中耳炎はどのくらいで治りますか?

A. 急性中耳炎の場合、痛みや発熱などのつらい症状は、2〜3日ほどで落ち着くことが多く、1週間前後で全体的に改善します。
ただし、耳の中の炎症や液体(滲出液)は、症状が良くなったあともしばらく残ることがあり、完全に治るまでに2〜3週間かかることもあります。
症状や経過に応じて、必要なタイミングで再診をご案内します。

Q. 抗生物質は必ず必要ですか?

A. 中耳炎には、自然に治る軽症のものと、抗生物質を使用したほうが早く治るものがあります。
お子さまの年齢、症状の強さ、耳の中の状態を総合的に判断し、抗生物質が必要かどうかを決めています。処方された場合は、症状が良くなっても自己判断で中止せず、必ず相談してください。

まとめ

中耳炎を何度も繰り返すと、保護者の方も不安になってしまうかもしれません。
しかし、耳管は成長とともに発達し、免疫も整ってくるため、多くのお子さまは自然と中耳炎にかかりにくくなっていきます。
少しでも気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

広島県福山市のおひさまこどもクリニックでは、
小さいお子様から高校生まで、長引く咳、肺炎に関する診察にも対応しています。

ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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