「こどもの便秘」は、実は非常に身近な悩みです。
10人に1人、あるいはそれ以上のお子さんが便秘症であると言われています。
「たかが便秘」と思われがちですが、放置するとお子さんが排便のたびに痛い思いをしたり、食欲が落ちたり、ときには「おもらし」の原因になることもあります。
便秘とは、単に「毎日出ない」ことだけを指すのではありません。「便が長い時間出ないか、出にくいこと」を言います。
具体的には、以下のような状態が目安となります。
「うちの子、便秘かな?」と思ったら、まずはこのチェックリストを確認してみてください。
1つでも当てはまる場合、便秘症の可能性があります。
便秘が 1〜2ヵ月以上続いている場合 は「慢性便秘症」として、適切な治療が必要です。
特に、以下の「特別な原因」が疑われる徴候がある場合は、早めに医師に伝えてください。
まず保護者の方から詳しくお話を伺います(問診)。便の回数、硬さ、排便時の様子などを教えてください。
こどもの便秘を治療する上で、もっとも重要なのが「便秘の悪循環」を断ち切ることです。
硬い便を出す時に痛い思いをすると、お子さんは次に便をしたくなる(便意)のを怖がって我慢してしまいます。
我慢して便が腸(直腸)に留まる時間が長くなると、どんどん水分が吸収されて、さらに硬く、大きくなります。
常に便が直腸にある状態が続くと、腸が伸び切ってしまい、便が溜まっても「ウンチをしたい」という感覚が鈍くなってしまいます。
この悪循環を断ち切るには、「便を柔らかく保ち、出す時に痛くない状態を続けること」が不可欠です。
治療は大きく分けて、溜まった便を出す「初期治療」と、良い状態を維持する「維持治療」の2段階で行います。
浣腸、摘便を行っております。
「下剤はクセになるのでは?」と心配される方もいますが、小児の便秘に主に使うお薬は、安全性が高く習慣性になりにくいものです。
便に水分を含ませて柔らかくする薬です。モビコール・酸化マグネシウムなどが代表的で、幼児や学童で最もよく使われます。毎日同じ量を飲み続けることで、排便を楽にします。
腸から吸収されない糖分で便を柔らかくします。甘くて飲みやすいため、乳児によく使われます。(モニラック・マルツエキスなど)
腸の動きを活発にする薬です。浸透圧性下剤で効果が不十分な場合に使われます。
出口に硬い便が詰まって出られない時に使います。まずは「空っぽ」にすることが大切です。
治療は数ヶ月から、ときには1〜2年以上続くこともあります。良くなったからと自己判断で中断すると、すぐに再発してしまいます。相談しながら、ゆっくりお薬を減らしていきましょう。
食事は薬のような即効性はありませんが、健康な腸を育てるために大切です。
食物繊維は便の量を増やし、柔らかく保つのに役立ちます。野菜(ごぼう、かぼちゃ)、海藻、果物、芋類、豆類を意識しましょう。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく取ることが大切です。
水分不足は便秘の原因になりますが、脱水していない子に大量に飲ませても効果は限定的です。適切な量をこまめに摂ることが大切です。
おひさまこどもクリニックでは、便秘管理表を活用して便秘治療を行っています。
治療の段階に合わせて、お子さんと保護者の方が一緒に治療に取り組めるようサポートしています。
便秘症は、早く治療を始めるほど、その後の経過が良くなります。
お子さんが「ウンチをするのは気持ちがいいことだ」と思えるようになるまで、根気よくサポートしていきましょう。
お子さんの排便のことで少しでも気になることがあれば、福山市のおひさまこどもクリニックまでお気軽にご相談ください。一緒に解決していきましょう。