小児の便秘について

「こどもの便秘」は、実は非常に身近な悩みです。
10人に1人、あるいはそれ以上のお子さんが便秘症であると言われています。
「たかが便秘」と思われがちですが、放置するとお子さんが排便のたびに痛い思いをしたり、食欲が落ちたり、ときには「おもらし」の原因になることもあります。

小児の便秘の症状

便秘とは、単に「毎日出ない」ことだけを指すのではありません。「便が長い時間出ないか、出にくいこと」を言います。
具体的には、以下のような状態が目安となります。

  • 回数の少なさ: 週に3回より少ない、または5日以上出ない日が続く場合。
  • 出す時の苦痛: 毎日出ていても、出す時に痛がって泣いてしまう、肛門が切れて血が出る場合。
  • 便の状態: 小さいコロコロした便や、非常に太くて硬い便が出る。
  • 隠れ便秘のサイン: 腸に便が溜まりすぎると、硬い便の隙間から軟らかい便が漏れ出し、下着に少しずつ便がつくことがあります。これは「下痢」ではなく「便秘」のサインである可能性が高いです。
  • 全身の症状: お腹が張る、食欲がなくなる、吐き気や嘔吐、口臭、不機嫌といった症状が現れることもあります。

小児の便秘のチェックと受診のめやす

「うちの子、便秘かな?」と思ったら、まずはこのチェックリストを確認してみてください。

30秒で確認! 便秘チェックリスト

1つでも当てはまる場合、便秘症の可能性があります。

  • ウンチをするのを嫌がる、または我慢している様子がある
  • 排便時に力んで痛がったり、泣いたりする
  • コロコロしたウンチが少しずつ、あるいは大きな塊で出る
  • おならの回数が多い、またはにおいが強い
  • 風邪でもないのに食欲がなく、不機嫌なことが多い
  • トイレを嫌がり、オムツでしかウンチをしたがらない
  • いつの間にか下着が汚れている(便失禁)

受診のめやす:こんな時は早めにご相談ください

便秘が 1〜2ヵ月以上続いている場合 は「慢性便秘症」として、適切な治療が必要です。
特に、以下の「特別な原因」が疑われる徴候がある場合は、早めに医師に伝えてください。

  • 生後24時間以内に初めての便(胎便)が出なかった
  • 身長の伸びが悪い、または体重が減っている
  • 激しい嘔吐を繰り返す
  • お腹が異常に膨らんでいる、またはしこりを触れる
  • おむつが外れているのに、頻繁に便を漏らすようになった

小児の便秘の検査と診断

まず保護者の方から詳しくお話を伺います(問診)。便の回数、硬さ、排便時の様子などを教えてください。

  • 身体診察
    実際にお腹を触って便の溜まり具合を確認したり(触診)、肛門の状態を観察したりします。
  • 画像検査
    必要に応じて、レントゲン撮影や超音波(エコー)検査を行います。これにより、腸の中にどれくらい便が溜まっているか、腸がどれくらい広がっているかを客観的に評価できます。

なぜ便秘は「悪循環」になるのか

こどもの便秘を治療する上で、もっとも重要なのが「便秘の悪循環」を断ち切ることです。

悪循環に陥ってしまう原因

①痛みと我慢

硬い便を出す時に痛い思いをすると、お子さんは次に便をしたくなる(便意)のを怖がって我慢してしまいます。

②便が硬くなってしまう

我慢して便が腸(直腸)に留まる時間が長くなると、どんどん水分が吸収されて、さらに硬く、大きくなります。

③感覚の麻痺

常に便が直腸にある状態が続くと、腸が伸び切ってしまい、便が溜まっても「ウンチをしたい」という感覚が鈍くなってしまいます。

この悪循環を断ち切るには、「便を柔らかく保ち、出す時に痛くない状態を続けること」が不可欠です。

おひさまこどもクリニックでの小児の便秘の治療

治療は大きく分けて、溜まった便を出す「初期治療」と、良い状態を維持する「維持治療」の2段階で行います。

①院内での治療

浣腸、摘便を行っております。

②お薬による治療

「下剤はクセになるのでは?」と心配される方もいますが、小児の便秘に主に使うお薬は、安全性が高く習慣性になりにくいものです。

浸透圧性下剤

便に水分を含ませて柔らかくする薬です。モビコール・酸化マグネシウムなどが代表的で、幼児や学童で最もよく使われます。毎日同じ量を飲み続けることで、排便を楽にします。

糖類下剤

腸から吸収されない糖分で便を柔らかくします。甘くて飲みやすいため、乳児によく使われます。(モニラック・マルツエキスなど)

刺激性下剤

腸の動きを活発にする薬です。浸透圧性下剤で効果が不十分な場合に使われます。

浣腸・坐薬

出口に硬い便が詰まって出られない時に使います。まずは「空っぽ」にすることが大切です。

治療は数ヶ月から、ときには1〜2年以上続くこともあります。良くなったからと自己判断で中断すると、すぐに再発してしまいます。相談しながら、ゆっくりお薬を減らしていきましょう。

③食事による治療

食事は薬のような即効性はありませんが、健康な腸を育てるために大切です。

【食物繊維の摂取】

食物繊維は便の量を増やし、柔らかく保つのに役立ちます。野菜(ごぼう、かぼちゃ)、海藻、果物、芋類、豆類を意識しましょう。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく取ることが大切です。

  • 水溶性食物繊維を多く含む食材
    芋類、キャベツ、大根、わかめ、大豆、果物など
  • 不溶性食物繊維を多く含む食材
    ごぼう、穀類、ココア、きのこなど

【水分摂取】

水分不足は便秘の原因になりますが、脱水していない子に大量に飲ませても効果は限定的です。適切な量をこまめに摂ることが大切です。

☆3食しっかり摂りましょう☆
規則正しい食事は腸を動かす刺激になります。

③トイレトレーニングと生活習慣

【トレーニングのポイント】

ポイント①規則正しい生活
「早寝早起き」と「朝ごはん」を徹底し、朝の排便時間を確保しましょう。
ポイント②無理強いしない
トイレトレーニング中の無理強いは、かえって便を我慢する原因になります。本人の発達段階(自分で下着を脱げる、意思疎通ができるなど)に合わせて進めましょう。
トイレに座る習慣をつけるのは良いことですが、5〜10分程度にとどめ、出たら大いに褒めてあげてください。
ポイント③運動
体を動かすことは腸の運動を活発にします。身体を動かす遊びを積極的に取り入れましょう。

おひさまこどもクリニックでの治療の特徴

おひさまこどもクリニックでは、便秘管理表を活用して便秘治療を行っています。
治療の段階に合わせて、お子さんと保護者の方が一緒に治療に取り組めるようサポートしています。

まとめ

便秘症は、早く治療を始めるほど、その後の経過が良くなります。
お子さんが「ウンチをするのは気持ちがいいことだ」と思えるようになるまで、根気よくサポートしていきましょう。
お子さんの排便のことで少しでも気になることがあれば、福山市のおひさまこどもクリニックまでお気軽にご相談ください。一緒に解決していきましょう。

広島県福山市のおひさまこどもクリニックでは、
小さいお子様から高校生まで、長引く咳、肺炎に関する診察にも対応しています。

ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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