赤ちゃんの下痢…「乳糖不耐性下痢症」とは?

  • 「風邪は治ったはずなのに、下痢だけが長く続いている」
  • 「おむつ替えのたびに酸っぱいにおいの水っぽい便が出る」
  • 「お尻が真っ赤にかぶれて痛そう…」

このような症状が見られる場合、「乳糖不耐性下痢症(二次性乳糖不耐症)」かもしれません。
乳糖不耐症は、赤ちゃんの胃腸炎(お腹の風邪)の後によく起こる一時的な消化不良です。
正しく理解して適切なケアを行うことで改善していきますので、まずは落ち着いて症状を確認してみましょう。

乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)ってどんな病気?

母乳や粉ミルク、牛乳には「乳糖(ラクトース)」という大切な栄養素が含まれています。
通常、乳糖は小腸の表面にある「ラクターゼ」という酵素によって分解・吸収されます。
しかし、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどの胃腸炎にかかったり、冷えやストレスでお腹を壊したりすると、小腸の表面(粘膜)が傷つき、ラクターゼ(酵素)が一時的に減少してしまいます。

分解されなかった乳糖がそのまま大腸へ送られると、以下のような症状を引き起こします。

  • 1. 大腸内でガスが発生:
    腸内細菌が乳糖を分解して酸やガスを作ります。
  • 2. 水分が腸に引き込まれる:
    濃い乳糖をうすめようとして、腸の中に水分が大量に出てきます。

その結果、酸っぱくてシャビシャビとした下痢やお腹の張り・ごろごろ音が生じるのです。

主な症状とチェックリスト

以下のような様子が見られる場合は、乳糖不耐性を疑います。

  • 水っぽい・泡立つ便:
    黄色や緑色の水のような便で、ブツブツ(泡)が混ざることがある
  • 酸っぱいにおい:
    便から甘酸っぱい、あるいはツンとする酸臭がする
  • お尻のかぶれ(オムツかぶれ):
    便が酸性になるため、お尻の皮膚が赤くただれたり痛がったりする
  • 回数が多い:
    1 日に何回も少量ずつ漏れ出るように便が出る
  • 機嫌や食欲は悪くない:
    熱はなく、授乳や離乳食は比較的飲んだり食べたりできていることが多い

治療とご家庭でできるケア

小児科での治療は、減ってしまった消化酵素を補ったり、一時的に乳糖の摂取量を減らしたりすることが中心となります。

1. 医療機関での治療(お薬の服用)

  • 無乳糖ミルク・乳糖分解酵素薬:
    乳糖を分解する酵素の粉薬を飲ませます。
    これにより、母乳や通常の粉ミルクをそのまま続けられるケースが多くなります。
  • 整腸剤:
    乱れた腸内環境を整えるお薬を併用します。

2. 授乳・離乳食の工夫

  • 粉ミルクの場合:
    医師の指示のもと、一時的に市販の「無乳糖ミルク(ノンラクト、ボンラクトなど)」へ切り替えることがあります。
  • 母乳の場合:
    母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養と免疫源です。
    自己判断で中止せず、乳糖分解酵素薬を服用しながら継続するのが一般的です。
  • 離乳食の場合:
    乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)は一時的に控え、うどんやお粥など胃腸にやさしい消化の良い食事を中心にします。

※授乳方法やミルクの切り替え時期については、必ず医師と相談のうえ決定しましょう。

3. デリケートなお尻のスキンケア

酸性便による激しい「お尻かぶれ」は、赤ちゃんにとって大きなストレスになります。

  • 拭かずに「洗い流す」:
    おしりふきで擦ると皮膚が傷つきます。
    ぬるま湯のシャワーやおしり洗浄ボトルでやさしく洗い流しましょう。
  • しっかり乾かす:
    水分を柔らかいタオルで押さえるように拭き取り、乾燥させます。
  • 保護剤を塗る:
    診察時に処方されるワセリンや亜鉛華軟膏などを厚めに塗り、便が直接皮膚に触れないよう保護します。

いつ頃治るの?受診の目安

小腸の粘膜が生まれ変わり、酵素が元の量まで回復するのには 1~2 週間(長ければ 1 ヶ月程度)かかります。
焦らず気長にケアを続けていきましょう。

すぐにご相談いただきたいサイン

以下の症状が見られる場合は、脱水症状や別の病気の可能性もあるため、早めに当院へご相談ください。

  • おしっコの量が極端に減っている、元気がない・ぐったりしている
  • 嘔吐を繰り返し、水分が摂れない
  • 便に血や膿が混ざっている
  • 高熱が続いている

院長からのメッセージ

胃腸炎が治ったあとも下痢が長引くと、「何かの病気かな?」「食事のせいかな?」と保護者の方も不安になってしまうことと思います。
乳糖不耐症は、お腹の粘膜が元気になるまでの「一時的なお休み期間」のようなものです。
適切なサポートとお薬で、少しずつ良い便に戻っていきますのでご安心ください。
おむつかぶれのケアやお薬の飲ませ方など、どんな小さなことでも遠慮なくお尋ねくださいね。

福山市の小児科、おひさまこどもクリニックでは乳糖不耐性下痢症の治療を行っています。
お子さんが一日も早く元気にニコニコ過ごせるよう、しっかりサポートいたします。

広島県福山市のおひさまこどもクリニックでは、
小さいお子様から高校生まで、長引く咳、肺炎に関する診察にも対応しています。

ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

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