こうした症状が見られたとき、特に注意したい子どもの病気のひとつが「腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)」です。
腸重積症は、早期発見・早期治療が非常に大切な救急疾患です。
様子を見ずに、速やかに小児科を受診する必要があります。
症状の特徴や受診のタイミングについて詳しく解説します。
腸重積症とは、腸管の一部が、隣り合う後ろの腸の中に「はまり込んで(めり込んで)しまう」病気です。
ちょうど「望遠鏡を縮めたような状態」をイメージしてください。
腸がはまり込んで締め付けられると、以下のような問題が起こります。
生後 3 ヶ月~2 歳頃(特に生後 5 ヶ月~1 歳半頃)の乳幼児によく起こり、男の子にやや多い傾向があります。
原因の多くははっきりしない「特発性」ですが、風邪などのウイルス感染によって腸のリンパ節が腫れることがきっかけになるのではないかと考えられています。
腸重積症には、特徴的な 3 つの症状(3 大徴候)があります。
特に「不機嫌の現れ方」が最大の特徴です。
最も典型的なサインです。
※痛みが引いている時間は機嫌が良く見えますが、「波がある泣き方」をしている場合は強い注意が必要です。
発症してしばらくすると、繰り返し吐くようになります。
最初は食べたものやミルクを吐きますが、進行すると緑色~黄緑色の液体(胆汁)を吐くことがあります。
腸の粘膜から出血し、腸の粘液と混ざることで、「赤くてドロッとした粘性のある便(イチゴジャム状便)」が出ます。
発症初期には出ず、時間が経ってから認められることも多いサインです。
上記の「周期的な激しい泣き方」「緑色の嘔吐」「イチゴジャム状の便」が 1 つでも見られる場合は、夜間や休日であってもすぐに救急外来や小児科を受診してください。
特に、以下のような状態のときは一刻を争います。
※診察時に「痛みの波」が引いていて機嫌が良くなっていても、決して素人判断で様子を見ず、受診時に「さっきまでの様子(泣き方や間隔)」を詳しく医師にお伝えください。
当院や受診先の医療機関では、主にお腹の「超音波(エコー)検査」を行います。
痛みや放射線被曝のない安全な検査で、はまり込んだ腸(ドーナツ状・ターゲット状の像)をその場で迅速に確認・診断できます。
診断がついたら、すぐに腸を元に戻す治療を行います。
高圧浣腸で戻らない場合や、発症から長時間経過していて腸の損傷・穿孔が疑われる場合は、小児外科での手術にて手で直接腸を元に戻します。
赤ちゃんの「痛みのサイン」は、言葉で伝えることができません。
「いつもと泣き方が違う」「急に激しく泣いてはケロッとするのを繰り返している」という保護者の違和感や直感は、非常に大切な診断のヒントになります。
「間違っていたらどうしよう」「夜間だから申し訳ない」とためらう必要はありません。
早期に発見できれば、体に負担の少ない方法で素早く治すことができます。
福山市の小児科、おひさまこどもクリニックでは腸重積症の診断を行っています。
気になる症状があるときや、判断に迷うときは、躊躇せずすぐにご相談・ご受診ください。