アトピー性皮膚炎ってどんな病気?

  • 「赤ちゃんの頃から、湿疹がなかなか良くならない……」
  • 「肘の内側や膝の裏が、いつもカサカサ・ゴワゴワしている」
  • 「夜、痒くて眠れずにグズグズしてしまう」
  • 「一度治ったと思ったら、季節の変わり目にまた悪化してしまう」

このようなお悩みを抱えるお子さんの多くが、「アトピー性皮膚炎」と診断される可能性があります。
アトピー性皮膚炎は、「かゆみのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性の皮膚疾患」です。
日本の子どもの約 10 人に 1 人がかかっていると言われるほど身近な病気で、決して珍しいものではありません。

しかし、「アトピーは体質だから治らない」「一生付き合っていくしかない」と思い込んでいませんか?

実は、近年のアトピー性皮膚炎の治療は大きく進歩しており、適切な治療とスキンケアを続けることで、ほとんどのお子さんが症状のない状態(寛解:かんかい)を目指すことができる時代になっています。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は、大きく分けて次の 2 つの要素が組み合わさって起こると考えられています。

① 皮膚のバリア機能の低下

アトピー性皮膚炎のお子さんは、生まれつき皮膚の一番外側にある「バリア機能」が弱いという体質を持っていることが多いです。
健康な肌は、外からの刺激(ダニ、ホコリ、細菌、汗、乾燥など)をブロックし、体内の水分が逃げないように守ってくれる働きがあります。
しかし、バリア機能が弱いと、外からの刺激が肌に入り込みやすく、水分も逃げやすいため、乾燥やかゆみ、炎症が起きやすくなります。

② アレルギー体質(アトピー素因)

ご家族にアレルギー疾患(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなど)がある場合、お子さんもアレルギーを起こしやすい体質を受け継いでいることがあります。
この体質と皮膚のバリア機能の低下が重なることで、ちょっとした刺激にも過敏に反応し、湿疹を繰り返してしまうのです。

こんな症状はありませんか?

アトピー性皮膚炎の特徴は、以下のような点にあります。

  • 強いかゆみを伴う湿疹がある
  • 左右対称に湿疹ができる
  • 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す
  • 乳児では、顔・頭・首・体幹に湿疹が出やすい
  • 幼児以降は、肘の内側、膝の裏、首まわり、手首、足首などの関節部分に湿疹が出やすい
  • 皮膚がカサカサに乾燥している
  • 長引くと皮膚がゴワゴワと厚くなる(苔癬化:たいせんか)
  • 掻きこわしてジュクジュクした傷ができている

これらの症状が 2 ヶ月以上(乳児では 1 ヶ月以上) 続く場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があります。

治療の 3 本柱:スキンケア・外用薬・悪化因子の除去

アトピー性皮膚炎の治療は、以下の 3 つを組み合わせて総合的に行います。
当院では、お子さんの症状や生活スタイルに合わせて、最適な治療プランをご提案します。

① スキンケア(保湿)

治療の最も基本となるのが、毎日の保湿ケアです。
皮膚のバリア機能を補い、外からの刺激を受けにくい肌を作ることが、症状の悪化を防ぐ第一歩です。

入浴時:ぬるめのお湯で、石鹸をしっかり泡立てて優しく洗います。
ゴシゴシこすらないことが大切です。

入浴後:タオルで水分を優しく押さえるように拭き、5 分以内に保湿剤をたっぷり塗りましょう。
「ティッシュが 1 枚貼りつくくらい」がたっぷりの目安です。

1 日 2 回以上:朝と入浴後の 1 日 2 回、季節を問わず継続することがポイントです。

「保湿剤だけでこんなに違うの?」と驚かれる保護者の方も多いほど、丁寧な保湿は症状を大きく改善します。

② 外用薬による炎症のコントロール

湿疹や赤み、かゆみがある部分には、炎症を抑える塗り薬を使用します。

・ステロイド外用薬

炎症を素早く抑える最も基本的なお薬です。
「ステロイドは怖い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、医師の指示のもとで、正しい強さ・量・期間で使用すれば、非常に安全で効果の高いお薬です。
当院では、お子さんの年齢や湿疹の部位、程度に合わせて、最適な強さのステロイドを慎重に選択します。

・タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)

ステロイドとは異なる仕組みで炎症を抑える塗り薬です。
顔や首など、ステロイドを長期に使いにくい部位に特に有効です。
2 歳以上のお子さんから使用可能です。

・モイゼルト軟膏、コレクチム軟膏

近年登場した新しいタイプの塗り薬で、免疫の過剰な反応を抑えることで炎症をコントロールします。
ステロイドとは違う作用機序で、顔や首にも安心して使えるのが特徴です。
年齢や症状に応じて、当院でもご提案しています。

・かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)

夜眠れないほど強いかゆみがある場合には、内服薬でかゆみをコントロールし、掻きこわしを防ぎます。

③ 悪化因子の除去

アトピー性皮膚炎は、日常生活の中のさまざまな要因で悪化することがあります。

  • 汗、乾燥、寒暖差
  • ダニ、ホコリ、ペットの毛
  • 食物アレルギー(一部のお子さん)
  • ストレス、睡眠不足
  • 石鹸・シャンプーなどの刺激

当院ではアレルギー科の視点も交え、必要に応じて 血液検査(アレルギー検査) を行い、悪化の原因になっているものがないか確認します。

「プロアクティブ療法」で、良い状態を長くキープ

近年のアトピー治療で重視されているのが、プロアクティブ療法という考え方です。
これは、湿疹が良くなった後もすぐに治療を中止せず、症状が出やすい場所に、塗り薬を t 定期的に塗り続けることで、再発を予防する治療法です。
「症状が出てから塗る」のではなく、「出る前に予防する」ことで、お薬の使用量を長期的に減らし、お子さんの肌をずっと良い状態に保つことができます。

当院では、症状が落ち着いた後もしっかりフォローアップし、プロアクティブ療法によって「アトピーがあることを忘れて過ごせる毎日」を一緒に目指していきます。

保護者の方へ ~一人で悩まないでください~

アトピー性皮膚炎の治療は、保護者の方の毎日のケアと医師の治療との二人三脚が何より大切です。

  • 「ステロイドを使い続けて大丈夫?」
  • 「保湿剤はどれを選べばいい?」
  • 「食事制限は必要?」
  • 「お風呂はどのくらいの温度で入れればいい?」

こうした細かな疑問や不安を、一人で抱え込む必要はありません。
当院では、お子さん一人ひとりに合わせたスキンケア指導、お薬の塗り方の実演、生活上のアドバイスまで、丁寧にサポートいたします。

「なかなか良くならない」「以前より悪化している気がする」と感じたら、迷わずご相談ください。
福山市の小児科、おひさまこどもクリニックではアトピー性皮膚炎の治療を行っています。
適切な治療を続ければ、お子さんの肌は必ず良くなります。
お子さんが、かゆみを気にせず笑顔で過ごせる毎日を、一緒に取り戻していきましょう。

広島県福山市のおひさまこどもクリニックでは、
小さいお子様から高校生まで、長引く咳、肺炎に関する診察にも対応しています。

ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

ページトップ